A Day In Muni
Pimlico Arts Japan x 花井祐介

2024
Acrylic, Plastic Marine Debris, Mixed Media
60 x 155 x 85mm

海で拾ったキャップを見つめ、キャップがたどってきた道のりを妄想してしまう。
遠く大陸からいくつかの海を越えてやってきて、それは今僕の手の中にある。
落ちている石にも葉っぱにも、それぞれの個性と物語がある、それらは僕らの中に生きている。

「A Day in Muni」
昨年より思い描いていた、自分の作品にキャラクターをつけることが、今回花井祐介さんとのコラボという大変光栄で、幸運な機会をいただき実現することとなった。
数年前に初めて訪れたサンフランシスコの路面電車、ダウンタウンからシティーへの乗車、かの地で見たあの日を描写、ハリウッドムービー、米国音楽、フードアンドスパイスアンドメルティーポティーなフォルクス達が、「A Day in Muni」 で惑星直列。

海洋汚染の問題など作品の性質上考えることが多いが、プラスチックの魅力に取り憑かれた自分は、自己矛盾を感じつつ作業をしている。海洋プラスチックゴミのネガティブな面よりも、明るい面を取り上げることで、何か良い動きに繋げていけたらと日々作品に光を灯している。
(Pimlico Arts Japan)

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自分はサーフィンが好きなので海に行く事が多い。もちろん波に乗る事が好きだが、板にまたがり海にプカプカと浮かんでいる事も好きだ。海底まで透き通るほど海水が綺麗だと、尚更気持ちが良い。その逆に、サーフィンをしに行った海にゴミが浮かんでいたら、せっかくのサーフィンが台無しなる。そんな気持ちの悪い海でサーフィンをしたくないという思いから、サーフィンの後にゴミを拾って帰ったり、ビーチクリーンに参加してきた。よく調べると、海に流れ着いたプラスチックゴミは、海の中で細かく砕かれ珊瑚などの海洋生物の生態に大きなダメージを与えていることや、海洋生物に取り込まれたプラスチックは最終的に、人間の身体にも入って来ているという事を知った。

そんな海洋プラスチックゴミは数十年後に、海に住む魚の量を超えるらしい。そしてそのゴミの大半は街でポイ捨てされたゴミが、風に飛ばされ川に流され海に集まってくる。海でいくらゴミを拾ったところで人々の意識が変わらない限り、海にはプラスチックゴミが集まり続ける。

海を愛するアーティストの一人として海の近くではなく、街でこの様なメッセージを発信する事は必要だと思うし、プラゴミから素晴らしい照明を作るPimlico Arts Japanと一緒に作品を作れるのはとても光栄だ。
(花井祐介)

Pimlico Arts Japan x 花井祐介

Pimlico Arts Japan / さいとうとおる
リサイクラー。1979年神奈川県生まれ、葉山在住。2015年、ヨーガン・レールの展示と作品に感化され制作を開始。Pimlico Arts Japan名義で海に漂着した海洋プラスチックを素材にした作品づくりを行う。

花井祐介
1978年神奈川県出まれ。50~60年代のカウンターカルチャーの影響を色濃く受けた作風で、日本の美的感覚とアメリカのレトロなイラストレーションを融合した独自のスタイルを形成している。アメリカ、フランス、オーストラリア、ブラジル、台湾、イギリス、中国、香港、シンガポールなどで作品を発表。また、VANS、NIXON、BEAMSといったブランドへのアートワークの提供など、国内外問わず活躍の場を広げている。

EXHIBITION
#04 Plastic Coast

March.2024